電波プロダクトニュース



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日付 メーカー名 製品分類 分類 用途
6月18日070618_03 ビクトレックス 電子材料 電子材料 一般産業用

携帯電話のスピーカ振動板や各種絶縁用途と広範な分野への適用が可能なPEEK樹脂を使った新規フィルムAPTIV



 英国の高機能性材料メーカー、ビクトレックス社(ランカシャー州、デビット・ハメル社長)はこのほど、同社VICTREX PEEK樹脂を原材料に用いた新規フィルム製品「APTIV(アプティブ)」を開発、販売開始した。幅広い用途への適用が可能な優れた機能を備え、ユーザーのシステムコスト低減や、性能および自由度向上に貢献する。日本法人のビクトレックスジャパン(東京都港区、リチャード・オカップニャック社長)は今月から同フィルム製品の日本市場向け販売を開始する。

 APTIVフィルムの主な特徴としては、高耐熱性、耐薬品性、耐摩耗性、耐加水分解性、優れた機械的特性、バリヤ特性、電気的安定性、耐放射線性、高純度、FDAおよびRoHS規格に対応する非ハロゲン特性、難燃剤を必要としない優れた難燃性、燃焼ガスの低毒性などがある。同時に、原材料のVICTREX PEEK樹脂の熱可塑性に起因する優れた加工性に加え、リサイクルが可能などの特徴を持つ。

 結晶性フィルムの「1000シリーズ」および非晶性フィルムの「2000シリーズ」をはじめ多様なグレードを用意。両シリーズともに、顧客の要求特性に合わせて、ナチュラルグレードもしくは充填材を配合した強化グレードが利用できる。

 同フィルムは、PEEK製フィルムとしては市場で最も広い最大1・5メートル幅、6―750マイクロメートル厚での生産が可能で、ユーザーの設計自由度向上にも貢献する。

 適用アプリケーションは、携帯電話のスピーカ振動板や民生用スピーカ部材、電気ワイヤーの絶縁やケーブル・ラッピング、圧力変換器やセンサー膜、自動車部品、産業部品および電子製品の磨耗表面、電子回路基板、航空宇宙分野での絶縁用途など、広範な分野への適用が可能。電子製品用途では鉛フリーハンダ切り替えに伴うリフロー温度上昇に対応し、加工メーカーの材料選択肢拡大に貢献。

 航空宇宙産業では機能を損なわずに部品の軽量化が図れる材料が要求されるが、APTIVフィルムの比重はフッ素樹脂製フィルムよりも軽いため、機械的特性を損なうことなく重量軽減が可能。

 同社は今後、主要顧客と持続的に協力し、硬質および軟質の印刷回路基板、高性能な接着材料やテープラベルなどの複雑なアプリケーションに向けたフィルム製品の開発にも注力していく。

 APTIVフィルムの生産は、ランカシャー州ソーントン・クレブリーズの同社メーンプラントに併設された新工場で製造する。約530万ポンドを投じて新設された同施設は、独自仕様の押し出し機、ロールスタック、ワインダなど最高水準の設備と機能を備えており、不良フィルムの修復やリサイクルも可能であるなど、顧客と環境に優しい設備となっている。

 さらに、APTIVフィルムの表面処理用として大気圧プラズマ表面処理システムが導入され、従来のコロナ処理システムに比べ、より表面エネルギーが高くなるとともに、フィルムの品質安定性が向上することから、接着剤の利用有無にかかわらず、APTIVフィルムと他材料との有効な接着性が得られる。

 同社は、他材料によるフィルム製造を行わず、APTIVフィルムの開発と生産に注力するため、顧客は材料の交差汚染を心配する必要がない。

 APTIVフィルムは、システムコスト低減や性能・デザイン自由度の向上などのメリットを顧客やエンドユーザーに提供でき、製品の高機能化や差別化に貢献する。

 同社は、APTIVフィルムに関する技術・製品・アプリケーションの専任チームを組織済みで、全世界の顧客に対し個々のニーズを迅速にサポートする体制を整えている。


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