220極ながら最大1ミリメートルの可動性能を実現した0.5ミリピッチボードツーボードコネクタ

　イリソ電子工業はこのほど、世界初となる、プラグ側コネクタとソケット側コネクタの両側が可動し、２２０極の多極数ながら最大１.００ミリメートルの可動性能を実現した０.５ミリピッチボードツーボードコネクタ「９９８０シリーズ」を開発した。フローティングコネクタにおけるユーザーの利便性をさらに向上させたもの。「両側可動」および「可動量プラスマイナス１.００ミリメートル」はいずれも世界初となる（特許出願中）。カーナビをはじめ各種機器向けに拡販を推進し、今秋からの量産開始を予定する。

　同シリーズは、狭ピッチ・多極ながら、最大１.００ミリメートルの可動性能を実現した、ソケット・プラグ両側可動の０.５ミリピッチ平行接続（スタッキング）ボードツーボードコネクタ。極数は６０−２２０極。可動量は、両側可動の利点を生かし、列間方向、ピッチ方向にそれぞれ１.００ミリメートル、嵌合方向に０.５ミリメートル可動（平行接続時）。基板間高さも７.６０−１４.００ミリメートルに対応できる強度・仕様を確保している。

　 ９９８０シリーズ（ソケット、プラグ）に加え、固定タイプのソケット側コネクタ９９８１シリーズシリーズ（ストレートタイプ）、プラグ側コネクタ９９８２シリーズ（ライトアングル）も製品化。これらと組み合わせることで、片側可動の平行、垂直接続タイプとしても使用可能であり、様々なバリエーションに対応する。

　 ２００極以上の多極化に対応した独自の設計構造により強度を確保。プラグとソケットの両側に嵌合時の誘い込み用ガイドを設置しており、安定した挿入が可能。斜め嵌合時に接点への干渉を防止するガイド付き。正規位置よりずれた位置で嵌合した場合でも接点部を傷めることはない。

　 挿抜の際のこじり防止用のガイドを４面に設置。コネクタ底面のコンタクト露出がない構造で、パターン設計時の自由度がアップする。

　 鉛フリー対応（ＲｏＨＳ指令対応品）。自動実装に対応したエンボス梱包。

　 用途は、カーオーディオ、カーＡＶ、カーエレクトロニクスなどの内部接続用など。

　 主な仕様は、最大定格電圧５０Ｖ（ＡＣ、ＤＣ）。最大定格電流０.４Ａ。耐電圧ＡＣ２５０Ｖ（１分間）。絶縁抵抗１００ＭΩ以上（ＤＣ２５０Ｖ）。接触抵抗１００ｍΩ以下（初期値）。使用温度範囲マイナス４０−プラス１０５度Ｃ。

　 同社は可動ボードツーボードコネクタに関して、ワールドワイドで高い販売実績を持つ。

　 今後は、今回の９９８０シリーズの技術コンセプトを他のコネクタ製品にも展開していく方針。