高精度計測向け複数回路を内蔵した16ビットデルタ・シグマ型A/Dコンバータ「ADS1174/ADS1178」

　日本テキサス・インスツルメンツ（日本ＴＩ）は、高いＤＣ（直流）精度およびＡＣ（交流）性能と高コスト効率を提供する高い集積度を備え、複数の回路を内蔵した１６ビットデルタ・シグマ型Ａ／Ｄコンバータ「ＡＤＳ１１７４」（４回路内蔵）と「ＡＤＳ１１７８」（８回路内蔵）を発表した。現在出荷中で、価格はＡＤＳ１１７４が１２.４５ドル、同１１７８が１９.９５ドル（いずれも１００個受注時の参考単価）。

　新製品は、２５キロヘルツの帯域幅、２マイクロＶ／度Ｃのオフセットドリフト、最高９７デシベルの信号対雑音比などの特徴を備えている。また、５２キロサンプル／秒の動作速度と７ｍＷ／チャンネルの消費電力の両方に最適化が可能な２種類の動作モードも備えている。

　さらに、高次数のチョッパ・スタビライズド変調器を内蔵し、ＤＣからナイキスト周波数までの信号帯域幅で非常に低いドリフト特性および低雑音特性を実現する。

　内蔵のデシメーション・フィルターは、変調器や帯域外の雑音を抑圧することで、ナイキスト周波数の９０％までの使用可能信号帯域幅と阻止帯域で１００デシベルの減衰量を提供する。これらの製品は、振動解析や医療機器などの高精度計測用途向けに、同時サンプリング機能を持つ計測システムを構築できる。