1300ミリメートル/秒の超高速薄膜サーマルプリントヘッド「SH3002-DC80A」

　ロームは、業界最速の１３００ミリメートル／秒印字対応の超高速薄膜サーマルプリントヘッドを開発した。業務用のパッケージプリンタ、バーコードラベルプリンタ、チケットプリンタなどで求められている超高速高品位印字を実現した。ドット密度３００ｄｐｉ、印字幅２インチの「ＳＨ３００２―ＤＣ８０Ａ」を今月にサンプル出荷し、０９年１月から月産5000個で量産を開始する。サンプル価格は３万円／個。生産は中国・大連のローム　エレクトロニクス大連で行う。

　開発した超高速薄膜サーマルプリントヘッドは、高速タイプの薄膜サーマルプリントヘッドで実績のある発熱部と電極の段差をなくした独自のステップフリー構造を超高速に適したニアエッジ構造に対応させた。

　また、新たに発熱部下のガラス層のグレーズ部を同社従来品より薄くして、熱が集中しやすい熱集中型グレーズを採用。

　過去の印字状態から、印字時のドットエネルギーを最適にコントロールする熱履歴制御の監視回数を５０回以上に増やした熱履歴制御機能と、ドットを事前に加熱して書き始めから高品位印字ができるプリヒート機能も備えた新開発の専用ドライバーＩＣを用いた。

　これらにより、業界最高の１３００ミリメートル／秒までの超高速印字に対応。同社従来品で２０ミリメートルＭａｘだったプラテンローラの径を５０ミリメートルＭａｘに大口径化した。

　高硬度保護膜Ｗコートで摩耗寿命１５０キロメートルを保証。２４時間稼働ラインにも耐える高信頼性を実現した。感熱、熱転写の両印字方式に対応する。熱時剥離（はくり）型メディアに対応できる。

　市場ニーズの高いドット密度３００ｄｐｉ、印字幅２インチ品を発売する。

　今回の超高速薄膜サーマルプリントヘッド「ＳＨ３００２―ＤＣ８０Ａ」の発売で、ステップフリー構造の薄膜サーマルプリントヘッドシリーズは、ドット密度２００ｄｐｉ、３００ｄｐｉ、印字幅２、３、４インチで平面構造タイプ／ニアエッジ構造タイプ「ＳＥ／ＳＨ―ＤＣシリーズ」、紙の張り付きを軽減したアンチ・ステッキング・トリートメント（ＡＳＴ）処理をヘッド表面保護膜に施したＡＳＴタイプ「ＳＥ―ＤＣ９４シリーズ」と合わせて４シリーズになった。