半導体から直接発振の波長531ナノの純緑色半導体レーザー

　住友電気工業は、半導体から直接発振できる発振波長５３１ナノの純緑色半導体レーザーの開発に成功したと発表した。

　これまで緑色光を直接発振させる半導体レーザーはなく、実現には、青色発光ダイオードに使用されている窒化ガリウム（ＧａＮ）系材料が検討されてきた。ただ青色から緑色へ波長を長くすることで、発光効率が大きく低下するという問題を抱えた。

　同社では、長波長化すると発光層となる結晶に大きな内部電界が発生し、結晶品質が落ちることによる発光効率の低下を防ぐため、結晶の面包囲を変え、内部電界の影響を弱めた。同時に発光層の品質を大きく向上できるＧａＮ結晶を開発。緑色の長波長でも高効率で発光できる半導体レーザーの開発に成功した。

　また、発光層を制御することで、緑色全波長領域をほぼカバーできる開発にも成功。電流を増加させても発振波長の変化はほとんどなく、高電流下で高出力を狙う用途にも有効な技術としている。