液晶ポリマーフィルム「ベクスター」の新規製品2種類

　クラレはこのほど、液晶ポリマーフィルム「べクスター」の新規製品として（１）耐熱性に優れた「ＣＴ―Ｚフィルム」と（２）光反射性に優れた「ＦＢフィルム」の２種類を開発、販売開始した。

　 べクスターは、同社が独自の製膜技術により開発した液晶ポリマーフィルム。電気特性、高周波特性、耐熱性、寸法安定性に優れ、低吸湿性であることから、電子回路基板用の絶縁材料、特に高速伝送フレキシブル回路基板向けを中心に展開している。

　 近年、パソコンやＤＳＣなどの機器での伝送速度高速化に伴い、大容量・高速処理が可能な高周波領域向けの回路開発が進められている。

　 今回の新製品２種類は、高周波特性での電気特性に加えて、従来のタイプと比較して高い耐熱性や、光反射性などの特性を兼ね備えた製品として開発したもの。

　 ＣＴ―Ｚフィルムは、市販液晶ポリマーフィルムの中で最高レベルの耐熱性を持つフィルム。

　 高周波領域での電気特性Ｂなどの特徴から、フレキシブル回路基板や多層回路基板の絶縁材に適した素材。

　 優れた耐熱性により、従来のフィルムでは困難だった高温ハンダごてを使った手作業によるハンダ付け・修正（リペア）への対応を可能としており、さらなる用途拡大を期待する。

　 ＦＢフィルムは、優れた光反射性を持つフィルム。

　 鉛フリーハンダを用いた自動ハンダ付け工程に対応する耐熱性を持ちながら、市販液晶ポリマーフィルムの中で最高レベルの光反射性を兼ね備えている。熱による光反射性の劣化が非常に小さいため、同社では白色ＬＥＤ基板用途に適した素材としてマーケティングを進めていく。