低電圧携帯機器向け1005サイズ定格0.15Aのチップヒューズ

　釜屋電機は、携帯電話をはじめとする携帯機器の保護回路素子事業への取り組みを強化、拡充している。チップ抵抗器を含め、製品全体の高付加価値戦略を積極的に展開する一環。チップヒューズでは、小型で低定格電流を実現した１００５サイズ品「ＦＣＣＲ１０シリーズ」を新たに開発。低抵抗チップ抵抗器は金属板タイプでの品ぞろえを拡充。さらにＥＳＤサプレッサを商品化し、静電気対策市場への参入を図った。

　「グローバル市場で勝ち抜いていくには、新製品、特に他社にない付加価値の高い製品を開発していくことが必要不可欠な条件」と吉田俊秀社長は話す。

　 開発したチップヒューズ「ＦＣＣＲ１０シリーズ」は、省電力化を推進するために低電圧駆動化する携帯機器に対応するもので、低定格電流領域での内部抵抗値の低減に成功。１００５サイズで定格電流０.１５Ａを実現した。

　 ＲｏＨＳ指令、鉛フリー、ハロゲンフリー、アンチモンフリーに対応し、環境負荷物質の低減に貢献する。

　 同社は、これまでチップヒューズとして「ＦＣＣ」「ＦＨＣ」「ＦＳＣ」など、多彩なシリーズを用意。最近では低抵抗速断型チップヒューズ「ＦＭＣ１６シリーズ」に、新たに定格電流０.５―５Ａの耐インラッシュタイプを追加した。また、３２１６サイズで、定格電流１―８Ａの優れた耐パルス性能を有する遅延型チップヒューズ「ＳＢＦ３２」を商品化している。

　 低抵抗チップ抵抗器では、「ＲＬＣシリーズ」に加え、金属板低抵抗チップ「ＲＬＰ６３」をラインアップしているが、新たに金属板タイプで超小型品を戦列化した。これまでの６３３２サイズに加え、１６０８サイズと３２１６サイズをラインアップし、１５ｍΩ以下で品ぞろえを拡充した。

　 電源回路、マザーボード、バッテリパックの大電流を要する回路の電流検出用途に最適。安定した温度特性を持ち、自己発熱による抵抗値変動が小さく、正確な電流キャリブレーションが可能。業界トップクラスの低背形状で、柔軟な構造設計に対応できる。

　 さらに回路保護素子として新たに静電気対策向けにＥＳＤサプレッサ「ＳＰＣ１０シリーズ」を開発。販売を開始した。

　 新製品は、静電容量が０.１ｐＦと小さく、高速信号ラインのＥＳＤ対策に最適な製品。静電気放電イミュニティ試験８ｋＶの接触放電のＩＥＣ６１０００―４―２に対応するＥＳＤ耐量に優れている。リーク電流１μＡ。ピーク電圧５００Ｖ、クランプ電圧１００Ｖ、耐久回数１００回。もちろん鉛フリーなど、ＲｏＨＳ指令に対応。

　 携帯電話やデジカメなどの小型携帯機器から、液晶テレビ、パソコン、ゲーム機など幅広い高密度実装化に対応して、１００５サイズを実現した。