電波プロダクトニュース



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日付 メーカー名 製品分類 分類 用途
2月11日 110211_02 物質・材料研究機構(NIMS) ユニット センサーモジュール 一般産業用

感度が従来比20倍超の膜型表面応力センサー


 物質・材料研究機構(NIMS)国際ナノアーキテクトニクス研究拠点の吉川元起研究員は、スイス連邦工科大学ローザンヌ校および、ハインリッヒ・ローラー博士(1986年ノーベル物理学賞受賞)と共同で、従来型センサーに比べて飛躍的に高い感度を有する膜型表面応力センサーの開発に成功ことを発表した。開発したセンサーは、小型・集積・多チャンネル化などが可能であり、半導体デバイスと同様に大量生産も可能であるため、医療・バイオ・環境・セキュリティなど広範な用途に応用可能である。

  多様な分子を高感度で検出・同定するために、ピエゾ抵抗型のカンチレバーを使用したセンサーの開発が進められてきた。応力を受けると抵抗率が変化するピエゾ抵抗を利用したカンチレバーは小型・簡便で、不透明溶媒でも測定が可能で、その製造プロセスが半導体デバイスの製造と親和性が良いという特徴がある。しかし、感度が低いという弱点があった。

  今回の開発では、感度の低さを克服するために、新しい構造の膜型表面応力センサー(MSS)を開発した。MSSでは中央の膜上に吸着した検体分子による表面応力を、膜周囲の4個のブリッジに埋め込まれたピエゾ抵抗によって効率良く検出する。作成したMSSの評価を行った結果、従来のカンチレバー型のセンサーに比べ、20倍以上の感度が得られた。

  これは、現在、広く用いられている高感度であるが、装置が大型で、不透明な試料には適用できないレーザー読み取り方式センサーと同程度の感度である。膜やブリッジ部分の大きさを少し変えるだけで、さらに数桁以上の超高感度化が可能であることも、シミュレーションにより明らかになった。

  MSSはカンチレバーセンサーと同様に、検体分子が吸着する際の立体反発などに起因する表面応力を測定しているため、ガス分子から生体分子までほとんどの種類の分子の測定が、空気中や溶液中など様々な環境で可能である。また、小型・簡便で、不透明溶媒でも測定可能であり、大量生産による低コスト化も期待できる。




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