高輝度LED向けシリコーン封止材「KER-7000シリーズ」

　信越化学工業は、高輝度LEDパッケージ材料の一つであるシリコーン封止材料として、ガス透過性を大幅に低減した低屈折率タイプ「KER―7000シリーズ」を開発し、照明用LED向けを中心にサンプル出荷開始した。

　低ガス透過性は、耐熱性、耐光性とともにLED封止材料に求められる重要な特性の一つ。ガス透過性が高い封止材料では酸素などの気体が透過しやすいため、LEDの周辺部材に酸化や硫化が発生し、輝度低下を招く可能性が指摘されていた。

　同社は今回、メチル系シリコーンと同等の耐熱性を維持したうえで、ガス透過性を10分の1程度に低減することに成功した。フェニル系シリコーンとの比較では、ガス透過性は同等で、耐熱性は大きく上回っている。

　同製品を用いた封止材料は、周辺部材の腐食による輝度低下防止に効果を発揮するため、高輝度LEDの信頼性は飛躍的に向上する。

　同製品は屈折率が1.38とメチル系シリコーンより低く、光の透過性に優れるため、特に高輝度LED用フラットパッケージの封止材料として最適。硬度（デュロメータA）80の「KER―7080A/B」と、硬度（デュロメータＡ）30の「KER―7030A/B」の2種類を用意している。

　同社はこのほか、多様な高輝度LED用シリコーン封止材料をそろえている。SCRシリーズは、携帯電話やノートPCのバックライト用LED向け、長期信頼性に優れガス透過性を大幅低減したASPシリーズは、液晶テレビのバックライト用LED向けに採用が増加している。