電波プロダクトニュース



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日付 メーカー名 製品分類 分類 用途
6月7日120607_01 ローム 半導体素子 ディスクリート 一般産業用

シリコンカーバイドの第2世代ショットキーバリアダイオード


 ロームは、シリコンカーバイド(SiC)、ショットキーバリアダイオード(SBD)の第2世代(2G)の量産を今月から開始する。

 太陽光発電用パワーコンディショナ(パワコン)をはじめ、産業機器、サーバー、エアコン、電気自動車(EV)用据置型充電スタンドなどの電源回路向けに採用が進んでいる第1世代(1G、10年4月から量産)のSiC―SBDに比べ立ち上がり電圧を10%0.15V低減、世界最小の1.35V(室温時)の順方向電圧を実現した。

 これにより、リーク電流を1Gと同等の2μAに抑えながら導通損失を1Gに比べ10%低減できた。スイッチング損失は1Gと同等で、シリコンのファストリカバリダイオード(Si―FRD)に比べ30%以上低減している。

 今回の2G品を使えば、太陽光発電用パワコンの変換効率を1Gより、さらに0.5ポイント上げられる。

 PFC回路では低順電圧による導通損失低減により、回路の効率を1―数ポイント改善でき、低消費電力化が図れる。

 今月、定格電圧600V/定格電流10A品から量産を開始。600V品は7月までに定格電流6/8/10/12/20/40Aまで全11品種を量産する。7月には定格電圧1200V/定格電流5―20Aの2G.SiC―SBD、2G.SiC―SBDを搭載したフルSiCパワーモジュールの量産も始める。前工程はローム・アポロ(福岡県八女郡)で、後工程はフィリピン、タイ、韓国の海外3工場で行う。

 新開発の2G.SiC―SBDは、1Gのプロセス温度、プロセスの順番などを変えることでリーク電流を上げることなく、立ち上がり電圧だけを低減した。生産性が1Gより上がり、チップサイズを小さくして性能を向上できた。

 1Gに比べ立ち上がり電圧を10%0.15V低減。世界最小の順電圧1.35Vを実現。全電流領域、全温度領域(-55―+175度C)において業界で最も順方向電圧が低い。既存のSiC―SBDに対し、使用環境によらない効率の改善を可能にした。

 同社は、パワーデバイスを成長戦略の一つに位置づけ、次世代パワーデバイスとして期待の高いSiCおよびGaNデバイスの開発を加速している。特に、SiCデバイスはSiC―SBDを国内で初めて量産。SiC―DMOSFETの世界初量産と常に業界をリードする開発、生産を進めてきた。

 3月には、世界で初めて全てのパワー素子にSiCパワー素子を採用したフルSiCパワーモジュールを産業機械向けに量産を始めている。


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