世界最小トランジスタパッケージ「VML0806」

　ロームは、０.８×０.６×０.３６ミリメートル（０８０６）サイズの世界最小トランジスタパッケージ「ＶＭＬ０８０６」を開発し、７月から量産を開始した。スマートフォン、ＤＳＣなどの携帯機器の小型化、薄型化の要望に応えた。まず小信号ＭＯＳＦＥＴに採用。今後、バイポーラトランジスタ、デジタルトランジスタなど、幅広い回路用途に展開する。

　新開発の０８０６サイズパッケージＶＭＬ０８０６は、小型素子の開発、高精度パッケージ加工技術の導入などにより、０.８×０.６×０.３６ミリメートルの世界最小サイズを実現した。

外形寸法、外部端子寸法を最適化することで、量産化にも成功した。

従来の小信号トランジスタの最小サイズ１２１２パッケージ（１.２×１.２×０.５０ミリメートル）に比べ実装面積を６７％削減し、２８％の低背化も図った。高密度実装を可能にする裏面端子を採用した。世界最小サイズながらオン抵抗を２.６Ωに抑えた。

これまでのトランジスタパッケージは、搭載素子の小型化、ボンディングの安定性、パッケージの加工精度、実装面での技術的課題などから１.０×０.６×０.３７ミリメートル（１００６サイズ）が限界だった。

ローム・ワコーエレクトロニクス（マレーシア）とローム　インテグレイティッド　システムズ（タイランド）で生産する。

今回の新開発のＶＭＬ０８０６は、まず小信号ＭＯＳＦＥＴに採用した。Ｎチャネル（ＶＤｓｓ２０Ｖ、ＩＤ１５０ｍＡ、ＰＤ１００ｍＷ）、Ｐチャネル（２０Ｖ、１００ｍＡ、１００ｍＷ）。バイポーラトランジスタにも同パッケージを用いる。ＶＣＥＯ５０Ｖ、Ｉｃ１００ｍＡ、ＰＤ１００ｍＷのＰＮＰ品、ＮＰＮ品を開発中。