焼結金属業界で初めて特殊黒鉛を用いたドライ環境用焼結軸受

　ＮＴＮは、焼結金属業界で初めて特殊黒鉛を用いたドライ環境用焼結軸受を開発した。

　事務機メーカーや自動車関連部品メーカーなどに提案を始めている。軸受単体のほか、樹脂部品を一体化した複合材料商品や軸受以外のしゅう動部材としても提案。１５年度年間で１億円の販売を見込んでいる。

　新開発の軸受は、特殊黒鉛を固体潤滑剤として採用した。そのほかの金属粉末に比べ流動性に劣り、増量すると成形できなかった黒鉛の課題に対し、金属粉末の配合を変更。流動性の高い特殊黒鉛を従来の黒鉛量の５倍以上添加し、高い生産性を確保しながら潤滑油を使用することなく、優れたしゅう動特性、耐摩耗性を実現した。摩耗量は従来の無含油焼結材料に比べ５０分の１以下（動摩擦係数μ≧０.３）に抑えた。

　さらに導電性を有し、静電気を逃がすことができるため、軸受の不具合原因となる粉じん吸着の防止が可能。さらに給電部材として適用することで、電気を供給するための部品が不要となり、装置の部品点数を削減できる。