車載向け高速伝送用で低背かつ大容量の各種FPC/FFCコネクタ

車載機器向けの０.５ミリピッチ高速伝送 対応ＦＰＣ／ＦＦＣコネクタ

　京セラコネクタプロダクツ（横浜市緑区）は、重点市場の一つに車載関連市場を掲げ、同市場に対するコネクタ新製品の開発と市場投入を加速させている。営業面では、京セラが１４年７月に立ち上げた「車載プロジェクト」に参画し、同プロジェクトを通じた主要顧客への提案に力を入れていく。

　同社は事業拡大に向けた重点市場の一つに車載関連市場を位置付け、各種車載用コネクタの新製品開発と、国内外での拡販活動に力を注いでいる。

アルミ電線対応

　主な拡販製品では、カーナビやドライブレコーダなどの車載アフターパーツ用電源分岐コネクタとして、アルミ電線対応の回路分岐コネクタ「９２１５シリーズ」を開発、販売開始している。

　車の軽量化と環境負荷低減に貢献する製品として開発したもの。「アルミ電線対応の車載用分岐コネクタは顧客承認が進み、採用が増加しており今後、さらにバリエーションを増やしていく」（岡崎岳彦・取締役営業本部長兼海外営業部責任者）。

　車載向けの高速伝送用では、低背かつ良好な作業性を実現し、大容量データ伝送にも対応した０.５ミリピッチＦＰＣ／ＦＦＣコネクタ「６８０６シリーズ」を開発し、引き合いが増加している。

　高機能カーナビなどでの高解像度化に伴うコネクタへの高速伝送要求に対応する製品。０.５ミリピッチ、基板上高さ１.７５ミリメートルで使い勝手の良い高速伝送対応のＦＰＣ／ＦＦＣコネクタ。アクチュエータの形状を凸形状にしたことで開閉操作がしやすく、確実なクリック感でＦＰＣ／ＦＦＣとの嵌合ロックを感じることができる。

　このほか、カーナビやミリ波レーダーなどの車載機器向けに、フローティング機構を搭載した０.６３５ミリピッチ基板対基板コネクタ「５６９０シリーズ」を開発し、引き合いが増えている。

　嵌合状態でＸＹ方向にプラスマイナス０.５ミリメートル可動して基板実装のずれや振動を吸収するフローティング構造をプラグコネクタに採用し、接触信頼性を向上。コンタクト形状に、集中荷重を上げて異物を排除（ワイピング効果）する同社独自の機構を採用。車載用機器向けに、プラス１２５度Ｃまでの使用温度範囲に対応する。

　同社は車載市場展開では、京セラグループの一員として「チーム京セラ」としての強みを生かした展開を図る。

　「京セラが１４年７月に立ち上げた車載プロジェクトに我々も参画し、同プロジェクトを通じた主要顧客への提案活動に努めていく」と岡崎取締役は話している。