金属製品に取付けても安定読み取りが可能なICタグ

マンホールに取り付けた例

　大日本印刷（ＤＮＰ）とフェニックスソリューション（金沢市打木町、金岡久夫社長）は共同で、金属製品に取り付けても安定して読み取りできるＩＣタグを開発した。販売受け付けは２月１日からを予定。

　同製品は、防水性があり、紫外線に強い材質のパッケージで保護されているため、屋外での利用にも適している。基本技術は、フェニックスソリューションが「いしかわ産業化資源活用推進ファンド（活性化ファンド）事業」の助成を受けて開発したもの。

　物流や建設資材、レンタル品の管理などでＩＣタグの導入が進んでいる。

　対象品には搬送器具やガスボンベ、鋼板、オフィス什器など金属製品が多数あり、ＩＣタグの読み取り性能は金属の影響を受けやすい。既存の金属対応製品であっても、直接取り付けると読み取れないことや読み取り性能が著しく悪くなるなどの課題があった。

　両社は、これまで非接触通信の障害であった金属をアンテナの一部として活用する画期的な新技術を利用。金属製品に直接取り付けても安定して読み取りできるＩＣタグを開発。金属から生じる電波を通じて非接触通信ができ、広い指向性を持つ。背面に貼り付けたり、複数の金属に挟まれていても、通信が可能となった。

　道路のマンホールの蓋の裏面に製品を貼り付ければ、ふたを開けずに路上からタグを読み取り、メンテナンス情報を確認できる。このように、これまでＩＣタグの利用が困難だった様々な金属製品での活用が期待される。また、ＩＣタグの通信規格として広く利用されているＥＰＣグローバル・クラス１・ｇｅｎ２に準拠しており、既存のリーダーライターが利用できる。

　ＩＣタグを保護するパッケージには、防水性があり紫外線に強い材質を使用しているため、屋外での利用も可能。このパッケージは柔軟なため、ボンベのような曲面にも取り付けることができる。