フローティング/細線同軸/圧着コネクタの3製品で各種新製品

高速伝送対応０.５ミリピッチフローティング コネクタ　ＤＴシリーズ

　ケルはコネクタ事業拡大のための戦略商品に「フローティングコネクタ」「細線同軸コネクタ」「圧着コネクタ」の３製品を掲げ、積極的な拡販を展開する。用途別では、車載機器や遊戯機器のほか、画像機器や医療機器、産業機器市場などへの展開を強化する。「今後も商品力を強化しながらシェア拡大を図る」（同社営業本部）。

　フローティングコネクタは従来のＤＹシリーズに加え、０.４ミリピッチ基板対基板用フローティングコネクタ「ＤＵシリーズ」と高速伝送対応０.５ミリピッチフローティングコネクタ「ＤＴシリーズ」をリリースした。画像機器や車載機器向けに拡販を推進する。

　ＤＴシリーズは、０.５ミリピッチフローティングコネクタながらＳＡＴＡ規格相当の高速シリアル信号伝送が可能。伝送特性はＳＡＴＡ　Ｒｅｖ３.０の要求規格を全て満足する。フローティング量はＸＹ方向にプラスマイナス０.５ミリメートル。コンタクト有効嵌合長はＤＹ／ＤＵより長い１.５ミリメートルとし接続信頼性を向上。接点形状は円弧形状で異物をかみ込みにくい。プラグ側・レセプタクル側ともに、ストレート、ライトアングルに対応し、スタック、水平、垂直の３次元実装に対応。

　ＤＵシリーズは０.４ミリピッチと基板対基板用フローティングコネクタの中でも最小レベルの小型化を実現。ＤＹと基板占有面積でプラグ側４８％、レセプタクル側で３１％の省スペース化を実現。フローティング量はＸＹ方向にプラスマイナス０.４ミリメートル確保。

　「今後もＤＴシリーズとＤＵシリーズの市場での認知度向上に努め、バリエーション拡充も図りながら、次の柱に育成していく」（同本部）。

　圧着コネクタは、１.５ミリピッチ・ドロワーコネクタ「ＦＡＳシリーズ」を販売開始した。既存の２.５ミリピッチ品と比較して、基板占有面積で３０％以上の小型化を実現。２ミリピッチディスクリートケーブル用コネクタ・圧着タイプ「ＦＢＣシリーズ」も発売した。

　極細同軸用コネクタは、セキュリティカメラなどの用途で実績を拡大している。

　▽フローティングコネクタ

　縦横方向（Ｘ軸／Ｙ軸）に可動可能な連結部（フローティング機構）を備えたコネクタ。基板にコネクタを実装する際に生じる縦横方向の誤差（基板取り付け公差）を吸収できる。コネクタで誤差やズレを吸収することにより、こじりに強く、基板の破壊を防止することができ、嵌合状態での負荷も吸収できる。Ｘ軸／Ｙ軸の可動に加え、接点が固定されたままＺ軸が可動するタイプも製品化されている。