車載機向け、重作動力、長寿命化を両立したタクトスイッチソフトフィーリングタイプ「SKPSシリーズ」を開発、量産開始

アルプス電気のタクトスイッチ

　アルプス電気は車載機器向けタクトスイッチの製品ラインアップを拡充する。同社は２日、車室内の操作に最適な、重作動力、長寿命のタクトスイッチソフトフィーリングタイプ「ＳＫＰＳシリーズ」を開発、量産開始したと発表した。市場で高い販売実績を持つＳＫＰＭシリーズの外形サイズを継承しつつ、３.６Ｎの重作動力と３０万回の長寿命化を両立させている。

　自動車には「快適・安全」に寄与する様々な操作用スイッチが搭載されている。これらの車載機器用スイッチは、温度や振動など厳しい車室内環境への対応をはじめ安全性を考慮し、不意の操作で誤作動しない工夫が求められる。同時に、カーナビの普及や大画面化に伴い、搭載されるスイッチには省スペース化が求められるとともに複数機能が一つのスイッチに集約するため、長寿命化へのニーズが高まっている。加えて、エンジンの無い電気自動車（ＥＶ）の登場により、静かな車室内環境づくりの要素として、操作時の音を抑えた静音タイプのニーズも高まっている。

　同社は００年に、車載機器用スイッチとして、タクトスイッチソフトフィーリング表面実装タイプ「ＳＫＰＭシリーズ」（外形サイズ５.９×６.０×５.０ミリメートル）を開発、量産開始した。小型かつ１.５７―３.０Ｎの作動力バラエティをそろえることで、優れた市場評価と豊富な実績を得てきた。

　今回開発したＳＫＰＳシリーズは、既存のＳＫＰＭシリーズの外形サイズを継承しつつ、３.６Ｎの重作動力と寿命３０万回（ＳＫＰＭシリーズは１０万回）の長寿命化を両立。加えて、従来は１.３ミリメートルだったストロークを１.０５ミリメートルとしたことで、従来品に比べて短い操作ストロークでありながら、確実でロバスト性に優れた操作環境づくりに貢献する。「製品バラエティ拡充により、車載関連顧客のより幅広いニーズに応えていく」（同社営業本部）。

　本体ステムとラバードームのしゅう動構造を見直し、ほこりの侵入を防ぐ構造を新たに採用したことで、従来品と同等の静音性を確保しつつ、接点不良の低減にも対応している。既にＳＫＰＭシリーズを採用しているユーザーの場合は、同じ外形サイズ・実装ランド寸法であるため、新たな実装基板の設計が不要となり、セット側の負荷軽減にも貢献する。

　特徴は、車載機器用ニーズに適した３.０Ｎ、３.６Ｎの重作動力タイプ。重作動力ながら３０万回の長寿命を実現。１.０５ミリメートルのミドルストローク。

　用途はカーＡＶ機器、カーナビ、ステアリングなど各種車載機器用スイッチ。このほか、産業機器や計測機器などでも使用可能。サンプル価格は２００円（税別）。生産は角田工場（宮城県角田市）で行い、生産規模は当初月産２００万個。

　外形寸法は５.９×６.０×５.０ミリメートル。最大定格１６ＶＤＣ　５０ｍＡ。初期接触抵抗１００ｍΩ　ｍａｘ。