電波プロダクトニュース



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日付 メーカー名 製品分類 分類 用途
9月18日 170918_01 タムラ製作所 半導体素子 ディスクリート 一般産業用

SiC使用タイプより40%消費電力低低減、酸化ガリウムを用いた超低消費電力ショットキーバリアダイオード


タムラ製作所が共同開発した
酸化ガリウムトレンチ型
ショットキーバリアダイオードの
断面模式図

[引用:株式会社タムラ製作所]

 タムラ製作所はノベルクリスタルテクノロジー(埼玉県狭山市、倉又朗人社長)と共同で、酸化ガリウムを用いた超低消費電力ショットキーバリアダイオードの開発に成功した。開発した電力用ダイオードは現在市販されているシリコンカーバイド(SiC)を用いたダイオードよりも消費電力を40%低減することができ、さらに低コストで製造可能なことから、これまでシリコンやSiCが用いられてきた家電製品から大電力の産業機器まで、様々な電気機器の省エネ効果が期待される。

 酸化ガリウムは4.5eVという非常に大きなバンドギャップエネルギーを有し、現在パワーデバイス用材料として開発が進められているSiCや窒化ガリウム(GaN)よりも低損失なパワーデバイスの実現が可能な新材料。さらに、酸化ガリウムはSiCやGaNには不可能な融液成長法による単結晶育成が可能なため、高品質で大型の単結晶基板をSiCやGaNの100倍高速、低コストで製造することができる。

 これまでに培ってきた高品質酸化ガリウム結晶成長技術と加工技術を融合し、酸化ガリウムの材料物性をフルに生かすことのできるトレンチ構造を導入したショットキーバリアダイオードを開発することに成功。トレンチ構造の導入により、酸化ガリウムとアノード(ショットキー)電極の接合面を流れるリーク電流を約1千分の1まで低減することができ、現在市販されているSiCを用いたショットキーバリアダイオードと同程度の耐圧性能を維持したまま、順方向損失を最大で40%低減することに成功した。

 この技術を用いることで、超低消費電力のダイオードを低コストで作製できるようになり、耐圧数百Vの家電製品から数万Vの産業機器や発送電設備まで、世界中の様々な電気機器の省エネ化が可能となる。

 引き続き、今回のデバイスの早期実用化に向けて、酸化ガリウム単結晶基板およびエピ基板の低コスト化、大型化、高品質化に取り組む。18年度にデバイス量産用φ4インチのエピウエハーの製造を開始する。

 なお、ノベルクリスタルテクノロジーは、タムラ製作所のカーブアウトベンチャーであり、情報通信研究機構(NICT)の技術移転ベンチャーとしての認定会社。


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