電波プロダクトニュース



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日付 メーカー名 製品分類 分類 用途
3月1日 180301_01 マクセル ユニット 電源・アンテナ・高周波部品 一般産業用

エネルギー密度1.5倍のリチウムイオン電池


固体電解質と「ULSiON」技術を
組み合わせた電池の放電曲線

[引用:マクセルHD]

 マクセルはこのほど、固体電解質と同社の高容量化技術「ULSiON(アルシオン)」を組み合わせたリチウムイオン電池の高性能化技術を開発した。アルシオンは、15年にマクセルが開発したリチウムイオン電池の高容量化技術で、シリコン系負極材料(SiO−C)の含有率を大幅に増やすことでエネルギー密度を高めている。

 リチウムイオン電池市場は、スポーツ、ヘルスケア、ファクトリーオートメーション、アミューズメントなど、産業用や民生用を問わず用途が広がっている。これらのモバイル/IT機器の市場における電池の出荷数量は25年には100億個と予測され、17−25年の年平均成長率は約10%と見込まれている。

 市場の伸びが期待されるなか、IoTデバイス向けの電池は機器の小型軽量化や用途の多様化に伴い、高エネルギー密度化と信頼性の向上が強く求められている。

 同社はこれまで、ニッケル系正極やシリコン系負極などの電極技術をベースにリチウムイオン電池の駆動時間を伸ばしてきたが、さらなる高容量化や作動温度範囲の拡張には新たな技術が必要となっていた。

 今回、固体電解質とアルシオンを組み合わせた高性能化技術を用いることで、高い安全性を維持しながら電池の大幅な高容量化と作動温度範囲の拡張を実現し、機器のデザイン性を損なうことなく連続使用時間や使用温度範囲を広げることが可能となった。

 この高性能化技術は、電極材料の表面制御・電極材料と固体電解質の均一混合・固体電解質層の均一形成・電極層と固体電解質層との界面制御など、同社が長年培ってきた技術をベースにしている。これにより、液系の電解質を用いた従来のリチウムイオン電池と比べて約1.5倍のエネルギー密度が実現できるほか、耐熱性を高め、液漏れや発火の可能性を低減させており、高容量化と高信頼性の両立が可能。

 この技術を用いた次世代リチウムイオン電池をIoTデバイス向けとして、20年までの実用化を目指す。


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