電波プロダクトニュース



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日付 メーカー名 製品分類 分類 用途
7月4日 180704_01 日本電波工業 ユニット センサーモジュール 一般産業用

JAXAと共同で開発した高精度アウトガスセンサー


Twin QCM センサ外観

専用コントローラ
[引用:日本電波工業株式会社]

 日本電波工業は宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同で開発した国産高精度アウトガスセンサーをJAXAのオープンラボ制度を利用して改良を加え、宇宙開発と同じ高レベルでの分析を容易に実現する一般産業向けセンサーおよび機器として、10月から販売を開始する。販売予定価格はセンサー200万円から、4chコントローラ400万円、真空チャンバ(オプション)600万円。

 今回のセンサーは、宇宙以外の産業における接着剤、放熱材、樹脂などからのアウトガス分析や対策に大きく貢献できるものとして発売する。

 高温下で使用される電装機器などでは、導通不良などの原因となるシロキサンの少ない接着剤、放熱材、樹脂などの有機材料が求められている。また、自動車の自動運転やIoTが進展するなかで、各種機器の不具合防止対応はより厳しいものになる。このため、シロキサンなど有機材料からのアウトガスの発生を可能な限り抑制するよう、正確な計測結果に基づく部材選定が重要になる。

 以前から、宇宙機器用材料からのアウトガス計測の分野では、水晶振動子センサーによるQTGA計測法が用いられている。参照用センサーと計測用センサーの差分を計測することでアウトガスの付着量を計測し、センサー温度を制御することで、物質の付着・脱離特性からガス付着量を定量化し付着成分の推定を可能にしている。

 JAXAと日本電波工業は共同で、独自のツインセンサー技術に基づく新型のコンタミネーション計測センサーの研究開発に成功し、17年4月に宇宙機器分野向けに販売展開を開始。同製品および宇宙機以外の用途での有効性に関する検証結果を先のEMシンポジウムで発表した。

サンプルのままで

 接着剤など有機材料のアウトガス分析には以前からガスクロマトグラフィが用いられているが、この方法ではサンプルをガス化する必要があり、ガス化のばらつきの計測への影響などが指摘されてきた。しかし、QTGA計測法ではサンプルそのままの状態での分析が可能で、最終製品の状態でのアウトガス発生状況を知ることが可能になる。

 日本電波工業では、高精度アウトガスセンサーをJAXAとの共同研究成果が利用されていることを示すJAXA COSMODE付与製品として、シロキサンなどを抑制するためのアウトガス計測を必要とする接着剤、放熱材、樹脂などの分野へ、センサーシステムだけでなく評価用の小型高真空評価設備もトータルで提供可能とし、販売を開始する。

 また、自社主力製品の水晶製品において、材料や製造工程での分析に高精度アウトガスセンサーを活用し、より一層の品質改善でユーザーに応えていく。


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