電波プロダクトニュース



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日付 メーカー名 製品分類 分類 用途
6月13日 190613_01 デクセリアルズ 電子材料 電子材料 一般産業用

高速伝送向けFPCの製造を容易にする低誘電ボンディングシート「D5300 Pシリーズ」


 デクセリアルズは、5G(第5世代移動通信システム)などの高速伝送向けFPCの製造を容易にする、低誘電ボンディングシート「D5300Pシリーズ」を開発した。液晶ポリマー(LCP)と誘電率を下げた変性ポリイミド(M−PI)の両基材に使用できる。

 現在、5G通信などの通信・伝送の高速化が進み、その伝送路となるFPCには高周波の信号を損失なく伝えることが要求されている。多くの高速伝送向けFPCは、誘電率が低いLCPを基材として製造されているが、市場のLCP供給量に限りがあり、高速伝送向けFPC製造の課題となっている。

 また、LCPは従来FPCの基材として用いられてきたポリイミドと材質が異なり、加工などの取り扱いが難しいため、生産効率が下がってしまうという点も課題だった。

 このため、特に高速伝送の中でも6GHz以下の信号を伝える用途では、LCPの代替としてM−PI(モディファイドPI)を基材とするFPCが用いられ始めており、既にスマホのアンテナ接続などに採用されている。

 今回同社が開発した「D5300Pシリーズ」は、LCPとM−PI両方の基材に対応する層間接着材料。同開発品は昨年開発したLCPを基材とするFPC用層間接着材料「D5200シリーズ」の材料構成を見直したことで、M−PIの接着も可能となった。ユーザーごとに異なるFPC製造時の要求スペックを満足させるため、接着強度に優れる「D5310P」と耐熱性に優れる「D5320P」の2タイプを開発している。

 同開発品は、誘電率(Dk)を2.3、誘電正接(Df)を0.0028に抑えており、LCPを基材とした6GHz以上の高速伝送向けのFPCにも使用可能。従来品同様、180度で接着可能なため、既存のFPC製造設備を使用できる。

 UV―YAGレーザー加工性にも優れており、多層FPCでのブラインド・ビアホール形成でも、サイドエッチングを抑えて加工することが可能。

 開発したFPC用低誘電ボンディングシートは、5G通信に用いられるLCPを基材とした6GHz以上の高速伝送向けのFPCの層間接着と、M−PIを基材とした6GHz以下の高速伝送向けのFPCの層間接着用途のいずれにも適している。

 ブラインド・ビアホール 多層FPCの表面と内側の層を電気的に接続するための穴。通常レーザー加工によって形成する。


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