1200A超の電流を計測可能にしたTMR電流センサー「CUR423x」

ＴＤＫのＴＭＲ電流センサー

　ＴＤＫは、ＴＤＫミクロナスブランドとして初めて電流センサー「ＣＵＲ４２３ｘ」を戦列化したと発表した。ＴＤＫのＨＤＤ用ヘッドで培ったＴＭＲ素子技術とＴＤＫミクロナスの磁気センサーの設計技術を融合した初の高電流コアレス・センシング向け。１９年第４四半期にサンプル出荷を開始する。

　新製品は、「ＣＵＲｓｅｎｓｅ」で登録商標。１６年にＴＤＫミクロナスがＴＤＫグループの一員となって以降、磁気センサー事業の相乗効果を具体化した第１弾。 　ハイパワーの用途のＤＣとＡＣの設計に適した製品。１２００Ａを超える電流を計測することが可能だ。１次導体と電気的に絶縁されたセンシング回路は、ＨＥＶやＥＶの高圧バッテリ・モニタリングに最適。

誤差は１％未満

　優れた信号対雑音比や使用温度範囲で１％未満（フルスケール）の誤差により、５ＫＨｚまでの信号バンド幅を持つ用途に対して高精度の電流計測を行う。

　同センサーは、フィールドバックコイル、シャント抵抗、ＴＭＲセンサーブリッジなど、クローズド・ループ回路に必要な部品が厚み１ｍｍの業界標準のＴＳＳＯＰ１６　ＳＭＤパッケージ（５×４.４×１ｍｍサイズ）に統合。大きな磁界集束コアが必要なため、スペースとコストを削減する。

　検出磁界範囲±７ｍＴと±４０ｍＴの２種を用意。検出磁界範囲を選択できるため、電流値の異なる用途に対応できる。同センサーを搭載した電流センシングモジュールは、製造工程で出力ピンを介してプログラムすることができる。選択可能な出力インターフェイスには、ＳＥＮＴ（ＳＡＥＪ２７１６Ｒｅｖ.４）、ＳＰＩ、フル・レシオメトリック・アナログがあり、用途の要件に柔軟に適応する。

　また、ＩＳＯ２６２６２に対応して設計しているほか、ＡＥＣ−Ｑ１００による評価を受けており、ジャンクション温度−４０−＋１７０度で動作する。

　オフセットとゲインのデジタル温度補正、ローパスフィルタ、クランピングなどは、ＴＤＫミクロナスのプログラミング・ツールで容易にプログラムすることが可能。

　ＴＤＫとＴＤＫミクロナスは、引き続き製品ラインアップとして、高速化に向けた新製品開発に取り組む。

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