電波プロダクトニュース



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日付 メーカー名 製品分類 分類 用途
9月10日 190910_01 ファーウェイ 半導体集積回路 専用IC 汎用コンピュータ用

7ナノ技術の5G対応SoC


「Kirin990 5G」

 中国の華為技術(ファーウェイ)は、ベルリンで開催中の「IFA2019」で次世代高速通信規格5G対応SoC「Kirin990 5G」を発表した。最高性能CPUやGPU、ISP、独自の5Gモデムなど最新機能を1チップに集積。製造には世界で初めて、7ナノメートル+EUV(極端紫外線)プロセス技術を適用した。米中貿易摩擦のあおりで同社への風当たりは強まる一方だが、IFAでは5G時代をリードする企業としての存在感を示した。

 「世界で最もパワフルな5Gチップセットだ」と、基調講演に登壇したコンシューマ事業部門の余承東(リチャード・ユー)CEOは自信を見せた。

 新チップはモデムを内蔵することで、SoCと別個のモデムを組み合わせた場合より36%小型化を実現。この小型チップに103億個のトランジスタを集積した。

 CPUは2ビッグコア(Cortex―A76ベースで動作周波数2.86GHz)、2ミドルコア(A76ベースの2.36GHz)、4リトルコア(A55ベースで1.95GHz)のオクタコア構成。前世代「Kirin980」に比べ全体の性能は20%、エネルギー効率は30%改善。業界トップの米クアルコムのSoC「スナップドラゴン855」に比べても、大幅な性能向上が見られるとユーCEOはアピールした。

 GPUは16コア「Mali G76」を採用。システムバスとDDRの間に「スマートキャッシュ」を採用することで、GPUとDDRの帯域幅を削減、DDRの消費電力も抑制できる。

 また、AI処理をつかさどるNPUの性能は、2年前にリリースした最初のNPU搭載SoC「Kirin970」に比べ、12倍に高まった。高性能ビッグコアと低消費電力タイニーコアを組み合わせた「ダ・ビンチ」アーキテクチャを採用し、軽い処理をタイニーコアに任せることで電力効率も大幅に向上。

 さらに自社開発の5Gモデム「バロン5000」は2G、3G、4G、5Gマルチモード対応で、5Gはノンスタンドアローンとスタンドアローンの両方をサポート。通信速度はサブ6GHz帯を使用した5Gで下り最大2.3ギガビット秒、上り最大1.25ギガビット秒を実現。

 ファーウェイは、Kirin990シリーズとして5G向けのほか、4G向けも提供する。5G SoCを搭載のスマホ「Mate30」は19日、独ミュンヘンで披露される予定だ。


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