電波プロダクトニュース



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日付 メーカー名 製品分類 分類 用途
11月21日 191121_01 ローム 半導体複合部品 機能モジュール 自動車機器用

業界初突入電流と定常両方の過電流からシステムを保護するハイサイドインテリジェントパワーデバイス


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ロームのハイサイドIPD
「BV2H×045EFU-C」

 ロームは、業界で初めて突入電流と定常電流の両方の過電流からシステムを保護する41V耐圧2ch出力のハイサイドIPD(インテリジェントパワーデバイス)を開発した。

 電子化が進む自動車のECUやADAS(先進運転システム)で搭載数が増えているセンサーの保護用に供給する。過熱保護がオフラッチ品と自動復帰品の2品種ある。

 6月からサンプル出荷を開始し、20年1月に量産に入る。サンプル価格500円/個(税別)。これまでの一般品のハイサイドIPDは起動時の突入電流だけを保護し、定常電流の過電流はマイコンや過電流検出ICなどを使って保護していた。メカヒューズ、リレーからの置き換えを進める。

 ロームは、10年から車載用、産機用IPDの開発、製品化を進めている。既に汎用性の高いローサイドIPDを機能、パッケージごとにラインアップし、車載、産機用に供給。17年からはハイサイドIPDの開発に取り組み、今回1チップで突入電流、定常電流の両方の過電流保護ができる新製品を開発した。

 新開発のハイサイドIPDは、ディスクリートで培った縦方向トランジスタのトレンチMOSと、LSIの横方向トランジスタを足し合わせた最先端IPD専用の0.35マイクロメートルBi-CVDMOSプロセス、独自の壊れない保護回路設計、高放熱ダイボンド材を改良したパワーパッケージを採用。固定21Aの過電流検出機能に、新たに可変1-10Aの過電流検出機能を加え起動時の突入電流に対する過電流保護機能だけでなく、定常電流の過電流保護機能を持たせた。

 これにより一般品のハイサイドIPDで必要だった定常電流の過電流検出IC、抵抗器、コンデンサを最大7点削減でき、実装面積も70%減らせる。突入電流の無効時間と定常電流の異常電流設定値を外付けコンデンサと抵抗器の定数を変えるだけで自由に調整することができるため、様々なシステムに使用できる。

 一般品のハイサイドIPDは、定常電流の過電流を検出した場合、マイコンのイネーブル信号でIPD出力をオンオフ制御するため、IPD出力に接続される後段回路のコンデンサ容量値によっては起動時の突入電流で過電流保護の検出・復帰を繰り返し、制御不能になる可能性もあった。

エラー信号発信も

 新開発のハイサイドIPDは、これらの課題も解決した。さらに過電流などの異常発生時にマイコンに対してエラー信号を発信することもできるため、システムの機能安全構築にも貢献する。

 過熱保護オフラッチ品「BV2HC045EFU-C」、自動復帰品「BV2HD045EFU-C」は▽電源電圧:6-19V▽保護耐圧:41V▽チャンネル数:2▽過電流検出:固定21A、可変1-10A▽オン抵抗:45mΩ▽パッケージ:HSSOP-C16。


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