オートストラテジ技術開発

太陽誘電(株)



  ◆オートストラテジ技術開発
 太陽誘電は、ドライブによるDVD±R 書き込み(記録)を最適化する世界初の独自技術、「AUTOSTRATEGY(r)( オートストラテジ ) 技術」を開発した。このAUTOSTRATEGY技術は、書き込みの際にドライブに挿入されたDVD±R ディスクにレーザー光を当ててディスク1枚1枚の特性を識別し、従来のメディアIDごとに一律の書き込みをするという方法ではなく、挿入されたディスク1枚1枚に最適な条件で書き込みを行える世界初の画期的な技術。
 この技術を用いれば同一アイテムのディスク間における製造時の特性ばらつきという問題がある場合でも、それぞれのディスクに最適な条件での書き込みが可能となる。また、メディアIDが登録されていないディスクについても、書き込み条件を最適化することを可能にする。 さらに書き込みに適さない粗悪なメディアについては、大事なデータを書き込む前にそのことを識別することができるため、消費者が粗悪な記録メディアを特定することで、大事な画像データなどが再生できなくなってしまうというリスクを最小限にすることができる。
 一方で、ドライブにもメーカー間の違いや光ピックアップなどによる差がある程度存在するが、AUTOSTRATEGY技術を採用することで、1台1台のドライブと挿入されたディスク特性を確認して最適化を行うため、ドライブの違いによる記録品位のバラツキも最小化することを可能とする。 同社では以前から最適記録に関してディスクの視点だけではなく、書き込み用の光ピックアップやコントロールICなど総合的な視点から技術レベルを向上させてきた。これらの蓄積された要素技術を生かすことで、ディスクにレーザーで光エネルギーを加えたときに、ディスクの記録面にどのような熱分布ができるかを瞬時に解析する技術を確立した。この結果、ディスクの特性に合わせてレーザー出力や照射時間を最適に制御し、品位の高い書き込みの最重要条件である「精密なピットの形成」を可能とした。
 同社では消費者保護の視点、健全なDVD±R市場形成の視点から、ドライブメーカーに対して、この独自技術をライセンスする活動を行い、AUTOSTRATEGY技術を業界の標準にしていくことをめざす。すでにドライブメーカーとの連携も開始しており、近々AUTOSTRATEGY技術を搭載したドライブが商品化される予定である。 近年、市場規模が急激に拡大しているDVD±Rであるが、新聞やパソコン雑誌などで1枚100円未満といった格安品で「書き込みができない」「画像がちらつく」「再生ができない」といった問題が指摘されるようになっている。ある会社が行った調査結果でも、海外製を購入した約半数のユーザーがなんらかのトラブルにあっている。
 これらの現象は、同じメディアIDを持つディスクにおける製造時の特性バラツキや、メディアIDがドライブに登録されていないケースでの書き込み条件の不適合などによって起こるケースが多い。従来の方法ではドライブにあらかじめ登録されたメディアIDでディスクの種類を識別し、そのID用に設定された一律の条件で書き込みを行う。 そのため製品における特性バラツキが大きいと、ディスク特性と書き込み条件とが適合しないケースが出てくる。その結果、本来問題なく書き込み・再生できるはずのディスクにおいて、書けない、再生できないなどの問題が発生することがある。
 今回同社が独自に開発したAUTOSTRATEGY技術は、ディスク1枚1枚の特性を識別して、そのディスクに最適な条件で書き込みを行うことを可能とする画期的な技術で、また、書き込みや再生に大きな問題がある粗悪なディスクを識別することも可能となる。 太陽誘電では、ドライブメーカーと連携してこの技術を業界の標準とする活動を行い、消費者保護と健全なDVD±R 市場育成を目指していく。


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