特集: ワイヤレス技術


■きょうから横浜で「WTP2006」開催

 情報通信研究機構、YRP研究開発推進協会、YRPアカデミア交流ネットワークは、無線通信技術・研究開発の専門イベント「ワイヤレス・テクノロジー・パーク(WTP)2006」をきょう、あすの2日間、共催する。

  会場は横浜市のパシフィコ横浜。約50社・機関の技術部門が出展。標準化、応用、グローバル化、事業化、要素技術などのセッションも展開される。

  この催事の実行委員長は情報通信研究機構の長尾真理事長。開催趣旨を次のように発表している。

  ネットワークの高速化で多様なアクセスが可能となり、大容量アプリケーション利用が可能な「ユビキタスネットワーク社会」の到来が期待されている。

  重要な役割を果たすワイヤレスシステムは、公衆モバイル通信網、高速無線LAN等のネットワークが構築され、次世代の第4世代移動通信システムも様々な研究開発プロジェクトが産学官の連携で推進されている。

  横須賀リサーチパーク(YRP)では、発足以来、移動体通信分野を主体とした研究開発の推進とベンチャービジネスの創出等を目的に“YRP移動体通信産学官交流シンポジウム”を7回開催、04年7月と05年7月には“次世代ワイヤレス技術展”、アジア諸国の連携強化を目的とした“アジア・ワイヤレス・サミット”などを開催してきた。
  今回の催しは、これらの催事と“YRP産学官交流シンポジウム”“YRPベンチャー支援”の関連事業を統合したもので、最新の研究成果を示し、研究者同士で深掘した技術情報交換できる場とする。アジアなど国内外の研究連携も目指す。



【図1】Wireless Technology Park 2006 主要展示
 (出所:情報通信研究機構)


■情報通信月間の参加事業

  WTP2006は、情報通信月間参加事業(情報通信月間推進協議会協賛)でもある。特別企画/ベンチャー発掘支援にはYRP事業開発研究所が参画している。後援・協力省庁団体は以下のとおり。

  総務省、文部科学省、神奈川県、横須賀市、日本ITU協会、電波産業会、電気通信事業者協会、インターネット協会、日本ICカードシステム利用促進協議会、日本自動認識システム協会、地上デジタル放送推進協会、テレコム先端技術研究支援センター、情報通信ネットワーク産業協会、ITS Japan、映像情報メディア学会、可視光通信コンソーシアム、情報処理学会、電気学会、電子情報通信学会、京都リサーチパーク、ソフトピアジャパン、横須賀テレコムリサーチパーク、京浜急行電鉄、野村総合研究所、PHS MoU Group、日本インターネットプロバイダー協会、日本インテリジェンス、YRP事業開発研究所、中国移動通信連合会、杭州市情報化弁公室、マルチメディア開発公社(マレーシア)など。

■これからの技術トレンドの方向性を示す

  展示内容は「これからの技術トレンドの方向性を示す研究」が中心で注目のテクノロジが目白押し。以下のテーマが出展される。

□IEEE802.関連技術(WiFi/WiMAX/iBurst)
□HSDPA
□Beyond 3G技術
□4G技術
□RFID/ICタグ
□センサーネットワーク
□ZigBee、UWB、Bluetooth
□MPEG技術
□動画配信技術/高精細デジタル映像技術
□可視光通信
□災害対策・救急医療ネットワーク技術
□地上波デジタル放送技術
□移動体向け衛星デジタル放送関連技術
□高速マルチメディア移動アクセス通信システム
□アドホック無線ネットワーク
□ギガビットIPv6ネットワーク
□広帯域ミリ波無線アクセスシステム
□成層圏無線中継ネットワーク
□ソフトウエア無線技術
□ITS/テレマティクス
□セキュリティ/認証技術
□測定装置
□ネットワーク管理機器
□エンジニアリング支援/ネットワーク工事
□材料/基板
□半導体素子/部品
□通信装置/コンポーネント 

■28日には特別講演

  「これからのビジョン」をテーマに行われる特別講演は、あす28日に実施される。

  講演内容は以下のとおり。

(1)「NICT新世代ワイヤレス研究センターの役割と今後の計画」情報通信研究機構(NICT)新世代ワイヤレス研究センターセンター長小川博世氏

(2)「台湾のWiMAX動向とM-Taiwanについて」台湾工業技術研究院(ITRI)副院長兼ICT研究所長 Dr.Bao-Shuh Paul Lin

(3)「新しいテレコム時代を育成する“台北遠東テレコムパーク”遠傳電信副総経理 Dr.Herman Rao

  なお、アカデミアプログラムでは、29の研究発表がある(表参照)。


【表1】アカデミアプログラムの発表概要


  フォーラム/セミナー(有料)は、きょう27日に「標準化推進フォーラム」と「応用・新発見フォーラム」が開かれる。

  標準化ではITU-R WP8F(電波産業会佐藤孝平氏)、スーパー3Gと4G(NTTドコモ尾上誠蔵氏)、ウルトラ3GとWiMAX(KDDI渡辺文夫氏)、WiMAX標準化(NEC藤本芳宣氏)、OFDM(WiFi、WiMAX、IEEE802.20、次世代PHS各推進者によるパネルディスカッション)、ビヨンド3G(総務省稲田修一氏)が話される。

  応用・新発見では可視光通信(慶應義塾大学中川正雄氏)、スローユビキタス無線(茨城大学梅比良正弘氏)、電波通信・放送のデジタル化(日立国際電気藤井拓三氏)、赤外線(NEC石井健一氏)がテーマ。

  同日「ワンセグ放送で多様化する無線アプリケーション、今後の展開と応用技術の可能性」(NHK黒田徹氏、TBS大吉なぎさ氏)のセミナーもある。

  28日は「事業化推進フォーラム」でWiMAXサービス(YOZAN丸岡豊一氏)、WiMAXアプリケーション(IRIユビテック志田智氏)、iBurstサービスとアプリケーション(京セラ村上和弘氏、ラダクリシナ・カンチ氏)、ミリ波・UWB・W-PANにおける自動車・情報家電への展開(情報通信研究機構浜口清氏)、電子タグの普及促進(総務省森孝氏)、ZigBee標準化とセンサネットワーク普及(沖電気工業福永茂氏)、ITS最前線(沖電気工業徳田清仁氏)、防災無線最前線(情報通信研究機構島史秀氏)の講演がある。

  同日の「要素技術セミナー」では、モバイル機器用燃料電池最前線(信州大学高須芳雄氏、カシオ計算機小椋直嗣氏)、EMC最前線(太陽誘電風間智氏)の講演がある。



3G携帯電話は、音楽や映像を楽しむ端末になる


【図2】無線利用のデータ通信規格




【図3】デジタル融合を実現する接続規格



【図4】身近になったWiFiwでマルチホップでショッピングモールをカバーする例