センサー 広がる市場、活発な製品開発

スマホやタブレット、ウエアラブル機器、自動車などへの搭載個数増える

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新開発のマイクロポジションセンサーを内蔵した
スマートグラス(村田製作所)            
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各種センサーと無線通信IC、低消費電力マイコンを
搭載したセンサーメダル(ローム)           

 センサー市場が拡大している。スマホをはじめ、タブレット端末、ウエアラブル機器、自動車でセンサーの搭載が進んでいる。今後、民生機器から住設機器、産業機器、インフラ関連機器まで、すべてのモノがインターネットでつながるIoT社会では、あらゆる機器にセンサーが搭載され、IoT社会を通信とともに支える。

 スマホやウエアラブル機器などのモバイル機器では、高精度な位置情報の検知からディスプレイの調光といった低消費電力化まで幅広いニーズに応え、加速度センサー、近接・照度センサー、温度センサー、気圧センサー、磁気センサーなど搭載センサーの種類、数が増えている。


 自動車1台当たりの搭載100個超す

 電子化が進む自動車では各種制御、通信システムなど、搭載されているセンサーは今や1台当たり100個を超え、自動車の安全、安心、快適に重要な役割を果たしている。走行安全およびエネルギー効率向上のニーズを捉え、超音波センサー、MEMS慣性力センサー、電流センサーなどが採用され、自動運転システムや先進運転支援システム(ADAS)の実用化、普及に向けてもMEMS技術や超音波技術を応用したセンサーによる様々なソリューション提案が行われている。

 ヘルスケアでは心弾動検知向け加速度センサーモジュール/センサーノードをはじめ、人の状態モニタリング、予防安全に貢献するセンサー開発が加速。環境・エネルギーにおいてもIoT社会の実現に向けて小型、高精度、超低消費電力のセンサーが必要で、MEMS技術を使ったセンサーなどの開発が進む。

 また、生物、植物の構造などから学び、センサーに応用する研究開発も活発に行われている。におい、味、風など環境を検知する生物応用センサーは、東京大学先端科学技術研究センター生命知能システム研究室で、分子レベルで検知可能な昆虫臭覚受容体センサーが研究されるなど、様々な角度からの取り組みが進んでいる。電子工学、遺伝子工学、神経科学、情報処理学、材料学などを融合させ、昆虫の感覚器、神経系、脳の研究を行うことで自動車の自動運転や社会インフラのセンサーにつながるとみられている。

 CEATECでも関心

 7日から開催されているCEATEC JAPAN2015でも産業、暮らし、社会を大きく変えていくITの技術革新と、実世界・サイバー空間の情報連携がもたらすサイバーフィジカルシステム(CPS)とIoTを支えるキーデバイスとして各種センサー、センサーの複合化、通信デバイスとのモジュールの最新技術、製品が多数紹介、出展され、来場者の関心を集めている。

 村田製作所はウエアラブルソリューションとして、人の活動量検知やインターフェイスとして貢献するマイクロポジションセンサー、ミニポジションセンサーのセンサーデバイスのソリューションを、バンド型やスマートグラス型ウエアラブル端末のデモンストレーションで紹介している。オートモーティブソリューションでは、カーナビゲーション使用時にトンネルや地下などで衛星から信号が途切れた状況でもクルマの走行軌跡を見失わないように検知するジャイロコンボセンサーを3Dデッドレコニング向けセンサーとして出品している。アドバンスドプロダクトでは、無線通信モジュール内蔵ベッドセンサーを見どころアイテムにしている。

 ロームはIoTソリューションとして気圧センサー、加速度センサー、地磁気センサーなど各種センサーと無線通信IC、低消費マイコンを搭載したメダル形状のセンサーメダルを展示。活動量計や方位検出のほか、人の動作から筋肉の質を計測できることを紹介している。スーツケースに装着すれば、預け入れた状態を遠隔確認でき、忘れ物、盗難検知にも活用できると提案している。

 世界初の酸性度や温度、水分量などの土壌環境をリアルタイムでモニタリングできる土壌環境センサーも初出品。静岡大学の二川雅登准教授と共同でCMOSプロセスラインで電気伝導度(EC)、pH、温度の3センサーをシリコンで5ミリメートル角のワンチップに作り込むことに成功した。土壌環境センサー1個で5ミリメートル四方の土壌の水分量、pH値、温度を計測でき、農産物の生産性向上や土砂災害防止などの防災対策のIoT化にも貢献できることを、試作した土壌環境センサーを搭載した土壌挿入型センサーのデモンストレーションを通じて提案している。