車載用パワーインダクタの新製品開発活発


 車載用パワーインダクタの新製品開発が活発化している。ADASをはじめとする安全系など、機能強化によるECUの搭載点数増加で、需要が伸びていることに対応。フェライト系、メタル系の両材料を使用した小型、高性能パワーインダクタが相次いで市場に投入されている。

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車載用パワーインダクタの新製品が相次ぐ
[引用:TDK株式会社]
 TDKは、フェライト系で積層構造のパワーインダクタ「MLD2012シリーズ」を開発した。ADAS関連での需要増に対応したもの。自社従来品よりも小型・低背化を実現し、アプリケーションの小型化・モジュール化の要求に応える。2012サイズで、車載向けの厳しい温度環境で使用することが可能。

 太陽誘電は、認定用信頼性試験規格「AEC−Q200」に準拠したパワーインダクタ「EST0645」を開発した。自動車のエンジン、トランスミッションなどのパワートレインで使用されるDC―DCコンバータのチョークコイルや、フィルタ用途。150度の高温対応、30Gの振動に耐える機械的強度を持つ6ミリ角サイズの小型品。

【1μHで定格2.2A】

 村田製作所は、インフォテインメント機器などの自動車情報機器の電源に適したメタル系のインダクタ「DFE―PDシリーズ」に、新たに2016サイズ品を追加した。同サイズのフェライト積層ベースのパワーインダクタが定格電流1μHで1Aであるのに対し、2.2Aと約2倍の大電流を実現している点が特徴的。

 スミダコーポレーションは、車載向けのメタル系インダクタとして、6ミリ角サイズの「CDMC60D28/T150」を開発。車載信頼性基準AEC−Q200に準拠し、150度対応の信頼性を確保した。引き続き、5ミリ角、8ミリ角、10ミリ角サイズのファミリー化を予定している。LEDヘッドライト、ECUなどの電源回路の高信頼性製品ニーズに対応する。