アイサンテクノロジー、KDDIなど

5Gで複数車両を遠隔監視する自動運転の実証実験を実施

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大村知事が試乗した4G LTE自動運転車
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KDDIの5G自動運転車
【名古屋】アイサンテクノロジー、KDDIなど6社と名古屋大学は9日、愛知県一宮市で国内で初めて、5Gを活用した一般公道における複数車両の遠隔監視型自動運転の実証実験を実施した。

 アイサンテクノロジー、KDDI、KDDI総合研究所、損害保険ジャパン日本興亜、ティアフォー、岡谷鋼機、名古屋大学による実証実験は、愛知県による「平成30年度自動運転実証推進事業」の一環として行われた。

 アイサンテクノロジーは高精度3Dマップとアプリケーションの作成、KDDIは5G自動運転車の提供、4G LTE通信ネットワークの開発・提供、KDDI総合研究所は5Gを活用した遠隔自動運転実現のためのシステム設計、ティアフォーは自動運転ソフトウエア「Autoware」の提供などを手がけている。

 会場は、一宮市のKDDI名古屋ネットワークセンター周辺。4Gと5Gを搭載した2台の自動運転車(トヨタ・エスティマ)の運転席を無人状態として、約1kmの自動走行を行った。自動走行に当たって、遠隔にいる1人の運転手が2台を同時に監視し、緊急時に運転を制御した。

 自動運転車には、愛知県の大村秀章知事と一宮市の中野正康市長が試乗した。

 大村知事は「自動車や自転車、歩行者が多い生活道路での自動運転車の実験を初めて体験した。5G搭載車では30キロまで走行でき、加速も滑らかで通常の乗用車と違和感がなかった。40キロまで走行可能と聞いており、今後は普通に実用化ができるのではないかと実感した。4Kの高精細映像も見ることができた」と感想を話した。

 中野市長は「明日は一般住民20人が自動運転車を体験するが、定員の10倍近い応募があり、自動運転に対する関心の高さがうかがえる」と述べた。

 KDDI技術統括本部の赤木篤志技術企画本部長は「5Gの自動運転は、多接続、高速大容量、低遅延の特徴を持っており、交通事故の削減、高齢者の移動支援など地域の交通課題を解決する。4Kのような高精細映像で安心安全な自動運転を実現できる」と説明した。