総務省が光ファイバ整備に502億円投入

未整備世帯66万から18万へ 21年度末までに希望する全市町村で

 総務省は、昨年公表した「ICTインフラ地域展開マスタープラン」の進展状況をこのほど「プログレスレポート」としてまとめた。

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 この中で、21年度中に市町村が希望する全ての地域で光ファイバを整備し、光ファイバの未整備世帯を21年度末には約18万世帯にまで減らすとしている。19年3月末時点の未整備世帯数は66万世帯だった。

 総務省は光ファイバ整備事業(高度無線環境整備推進事業)に20年度2次補正予算として約502億円を投入する。20年度当初予算は約53億円だったため10倍近い規模になる。

 同マスタープランは、23年度末を視野に入れた次世代高速通信規格5Gや光ファイバなどのICTインフラの整備目標。昨年5月に公表され、このほど策定から1年経過したことを踏まえ、プログレスレポートが発表された。

 マスタープランでは@条件不利地域のエリア整備(基地局整備)A5Gなど高度化サービスの普及展開B鉄道/道路トンネルの電波遮へい対策C光ファイバ整備の4項目を一体的、効果的に実施するとしている。

 総務省では新型コロナウイルス感染症への対応を進めるため、「新たな日常」に必要な情報通信基盤の整備や、教育向けの「GIGAスクール構想」はじめ、いくつかの政策実現に向けて通信整備を加速することにした。

 光ファイバ整備推進の施策概要として、光ファイバの未整備の学校がある地域、地方公共団体や通信事業者などに対し5Gの高速・大容量無線通信の前提となる光ファイバ整備を支援する。

 今回の補正予算により21年度中に光ファイバ未整備の学校含め、市町村が希望する全ての地域で光ファイバを整備する。

 さらには昨年6月のマスタープランで設定した23年度末までに未整備世帯数を18万世帯にまで減らすという光ファイバの整備目標を2年前倒しして21年度末までに達成する。

 5Gでは23年度末の基地局整備数を開設計画の3倍となる約21万局以上と大幅に前倒しする。

 5G基地局の整備については、5G基地局やローカル5G導入促進のため、4G用周波数の5G化や新たな5G用周波数の確保についての検討を行う。税制面の優遇措置を導入する。