同一周波数を２つ出力する温度補償水晶発振器（TCXO)

　日本電波工業は、世界最小サイズ２×１.６×０.７ミリメートルで、同一周波数を２つ出力する機能を有する温度補償水晶発振器（ＴＣＸＯ）を開発し、サンプル出荷を開始した。量産は１１年以降を予定。サンプル価格は１千円。

　 スマートフォンに代表される携帯情報端末では、携帯電話の通話機能のほか、ブルートゥースやＷ―ＬＡＮなどの短距離無線通信機能が搭載されるモデルが増えている。従来、こうした短距離無線通信機能を付加するためには、通話機能用とは別に専用の基準クロック信号源が必要だった。

　 そのため、携帯情報端末の小型化と多機能化という二律背反的な製品トレンドの中で、通話機能用だけでなく、Ｗ―ＬＡＮなどの付加機能へも同時に基準クロック信号を供給できるＴＣＸＯのニーズが高まっている。新製品はこうしたニーズに対応したもの。

　 新製品は、同一周波数を２つ出力する機能を持ち、単体で通話機能用と短距離無線通信用に基準クロック信号を供給することができる。同時にＥｎａｂｌｅ/Ｄｉｓａｂｌｅ機能を搭載することで、パワーマネジメントが容易になり、低消費電力化が可能。また、携帯情報端末の実装基板の省スペース化に貢献する。

　 この製品は、５日から幕張メッセ（千葉市美浜区）で開催の「ＣＥＡＴＥＣ　ＪＡＰＡＮ　２０１０」に出展する。